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電承コラム


番外編 緊急提言「金型無償保管問題」への対処が早急に必要です
1.金型無償保管は「下請法違反」に該当し、 該当企業の摘発・勧告が急増 公正取引員会は近年監視を強化しています。 2024年度、勧告と指導の合計件数は8251件、業種別では製造業が3478件(42.2%)、卸・小売業が1481件(17.9%)、情報通信業939件(11.4%) 公正取引委員会による勧告 大手メーカの子会社も対象となっている。直近の勧告事例では、 三菱ふそうトラック・バス株式会社、トヨタ自動車東日本株式会社、日産子会社の愛知機械工業株式会社、東京ラジエータ製造株式会社、井関農機株式会社、荏原株式会社では、木型保管についても勧告を受けている。 本事例は氷山の一角であり、公正取引委員会は引き続き指導・勧告を一層強化する方針としている。 2. 対応:取引条件の明確化と契約書整備が必要、特に相互の金型保管・廃棄管理システムが必要 公取、中小企業からは、 内部統制システムを構築し、定期的なチェックを通して違反の未然防止が求める。 とされた。また、トヨタ自動車東日本の事例では、貸与型だけでなく、 サプライヤーが調達した自前の金型まで


第4回 製造デジタルデータの活かし方・不良を作らない、生産を止めない手法 その2
2. センサ・センシングとそのデータによるデジタル人材育成 デジタル製造には現場作業者や生産技術、測定や品質管理まで必要だが誰も認識していない 人材育成はどうすればよいの?定着・手の内化したいがどうすればよいの? センサはあくまでもアシスタントであり、熟練工の五感と経験値にはまだかなわない 。なぜなら人間というセンサは製造にかかわる全ての状態を把握し、瞬時に判断する能力がありとてもかなわない。とは言ってもこれからの人口減では頼れない。AIに期待する向きもあるが、今は現場・設備データが種類・量ともに少なくAIにかけても分析できない。そのためにも、一歩ずつセンサを導入し“試行錯誤を繰り返し、経験を蓄積”するしかないと考える。勿論そのスピードは大事だ。 製造現場のデジタル教育は製造現場で行われるべきだ 。AIもアシスタントとして運用するのであれば十分に使いこなせる(Σ軍師ⅡAI Plus)。 間違ってもAIを過信し、頼りすぎると考えない人間が育ってしまうので危険だ 。 例えば、当社のサーモモニタリンという金型表面温度センサを活用すれば、熟練者でも


第4回 製造デジタルデータの活かし方・不良を作らない、生産を止めない手法 その1
1. デジタル製造は目的を明確にし、現場を直視し課題に沿った対策を議論すべし 取ったデータはどう活かすの?効果がでない! よく聞く質問だが、効率化という効果だけを望んだ活かし方では“得られる果実は半分だ”。目標に沿った現場課題を理解した上で、戦略を立て取り組まないと現場・敷いては現場・工場・会社が崩壊する危険もある。 デジタル製造は、 自動化や不良削減、生産停止をデジタルデータで防止し、生産性向上を目指すことを第一の目標としている 。さらに 第二の目的として、データを通じて人の経験や判断をより効果的に活かし、人材育成につなげる ことも重要なポイントである。先ずは自分なりに書き出してみてください。 デジタル製造への課題 【格言】戦略を立てるべし!生産改革軸と人材育成軸の両面で考えよ! 1) センサ・センシングシステムの選定: 古い設備対応、保全に易しい無線センサ、センシングの拡張性 センサはどうやって選ぶの?データの見方を教えてほしい! デジタル製造の基本は製造現場の設備・金型のセンサの選定とセンシングシステムから始まる。 センサ選定のPO


第3回 デジタル製造の基本はセンサ・センシングから始まる
デジタル製造の基本は、 開発から生技、金型そして製造、検査に至るまでの情報を正確に伝達 することにある。今までの製造は昭和から令和にいたるまで古来の徒弟制度的なものづくり文化を踏襲した口頭伝達文化といっても過言ではない。人口の増加は望めず、2050年には1億人を下回り、働く職場は30%ほど人がいなくなることは明白であり、益々、自動化と効率化による労働生産性の向上を図る必要がある。 答えは口頭からデジタル情報伝達への転換にあり、そのツールがデジタル情報だ。言うは易し、そのデジタル製造はスタート・模索段階にある。いや、これから数十年にわたりものづくり文化革命の時代に入る。 1. データを “取る、見る、分析、生かす” デジタル製造の基本的な取り組み デジタル情報の取り組みは、 1) データを 取る ・・設計ノウハウ、試作・製造における・生産準備設計/設備ライン設計・金型設計/製造・トライ、量産・検査・品証に至るまで全ての開発・製造情報を取る事 ⇒各種センサ・M2Mセンシング、現場タブレット/PC、物品QR/RFID 2) データを 見る...


番外編(その3) 走り続けたインクス時代、そして民事再生
ベンチャー企業として1990年から2010年まで走りまくった20年間。 4人で始めた会社が最終的に子会社、海外子会社含め1800人ほどになり、私は常務取締役COOとして多くのお客様と社員と共にデジタルビジネスを展開した。“インクス流/3次元データの申し子...


番外編(その2) USでの武者修行3年、そして三井金属退職
1.3D設計の夜明け:クライスラーが突然3D図の提出を要求 1980年台後半、Japan As No.1がUSに吹き荒れ、Ford、GM、ChryslerのBIG3も日本車に負けじと必死だった。Chryslerはフランスからペッツ副社長を招聘し、大きな設計室ではドラフター...


番外編(その1) 社会人1年生 三井金属時代
1.楽しかった昭和の新入社員教育、酒の力は強し 社会人人生最初の配属はダイカスト事業部ドアロック制作部設計課、ここから私の社会人としての人生がスタートした。設計課に配属されたが、1年間は製造・生産技術の現場実習があり、金型製作、機械加工、熱処理、表面処理、組み立て、試作、...


第2回 なぜ、日本ではデジタル製造が普及しないのか
1.製造現場を支えてきたアナログ世代 デジタルの反対はアナログだ。特に製造の世界においては経験や五感と言われる製造ノウハウがアナログ的伝承となり製造現場を今も支えている。 ・ちょっと匂うな 異音がする 振動がある 油が切れたのでは?...


第1回 伝承から電承へ(その2)
2.伝承の時代と電承の時代へ 製造現場の伝承は今も脈々と続いている。日本刀つくりや和紙など主に手作業の伝統技術は今でも職人技術、ノウハウ、特に五感によるものづくり人から人へ伝承されている。 たたら製鉄により精錬された玉鋼を加熱し鍛錬する、そして水浸しの繰り返し、そして磨き...


第1回 伝承から電承へ
1.生い立ち、左官屋の職人DNA 秋声(佐藤声喜)は、秋田県能代市出身、父親は文学好きで働かない左官屋の棟梁。家には住み込み修行のお弟子さんが数人いて、小学生の私にタバコやお酒、週刊誌を無償供与で大人の社会を丁寧に教えてくれた。その甲斐もあって中学卒業までにはおおよその社会修行は卒業できた。 親父は、働かないくせにやたら道具にはこだわり、わざわざ東京に左官道具を仕入れに行っては高価で珍しいコテやら左官道具を買いつけに行っていた。店(作業場のことをいう)の両脇の壁一面にはずらり売れるほど陳列され、よく仕事仲間に無償であげていた。勿論、働かない親父と母は毎日大ゲンカであったが、大きな仕事の時は兄も母も時には私も家族総出で現場にいって手伝った。 世の常で、一番苦労していたのは母で、朝早くから畑仕事や田んぼ、そして日中は親父の仕事お手伝い、食事の賄いと獅子奮迅の働きで家計を支えた。ちなみに親父は全く酒が飲めないが、母は夕食にビールにお砂糖をいれてうまそうに飲んでいてバランスはとれていた。 また親父はなぜか田舎者のくせに、字も文章もそれなりに上手で、よく
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