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デジタル工場管理・金型管理:日本は製造現場で勝つ

  • 3月19日
  • 読了時間: 10分


人手不足に対応するSmart Factory向け最新の「デジタル工場管理・金型管理ソリューション」の紹介


1.はじめに


 人手不足は今や製造業にとって最も差し迫った課題であり、海外の技能実習生にも日本は以前ほど選ばれなくなっている。その結果、人手不足を原因とする倒産も増えている。

 省人化に向けデジタル機器、ロボット、AI等を取り入れたSmart工場が注目されている一方で、デジタル工場管理システム、デジタルサプライチェーン網も重要だ。本節では、電承Factoryシステム:金型管理/貸与先金型サプライヤー管理、設備IoT、測定IoT、在庫IoT/工具管理を網羅した「製造プラットフォーム」を紹介する。



2.新製品「製造プラットフォーム:生産電子カルテ®」の狙いとシステム構成図

 多くの企業では、販売・生産・会計・人事などを管理するERPや、生産現場を管理するMESは導入されている。しかし、工場全体や現場を統合的に管理する仕組み“製造基幹システム”は整っておらず、工程ごとや設備ごとに個別のシステムがバラバラに存在し、一元管理できていないのが現状である。

 その理由は、設備・金型・検査・在庫管理のデジタル化に加え、保全や外部委託先の管理まで対象範囲が広く、統一されたプラットフォームを構築するのが難しいためである。


図1 製造プラットフォームと工場DXソリューションとデータの活用PDCA
図1 製造プラットフォームと工場DXソリューションとデータの活用PDCA

KMCの「製造プラットフォーム」は、新たに開発した「生産電子カルテ」を中核とし、金型管理・設備管理・測定管理・在庫管理の各モジュールを“ひとつのデータベース”で統合したシステムである。

その特徴は、工場管理に必要な各工程のシステムに加え、センサやセンシングソフト、QRによる個体管理、デジタル測定器が連動し、製造現場の情報を一元管理できる点にある。システム価格は工場規模によるが、1工場あたり約1~3億円レベルである。


 ①全てのモジュールがひとつのプラットフォーム上で開発され、連携と一元管理が可能

 ②上位のERPやMES、生産管理システムなどすでに導入済みのシステムとの連携が可能

 ③製造現場情報を開発部門・設計と連携・開発IoT:ナレッジ電承へ製造データのFBが可能

 ④各モジュールには、金型・設備・保全センサや設備センシング・M2M・データ分析Σ軍師Ⅱが連動

 ⑤各センサ・システムがIoT連携、業務システム運営、生産技術連携などの電承Factoryとして運用可能


図2 成形工場を事例とした設備ハイブリッドセンシングと工場管理IoTとの連携
図2 成形工場を事例とした設備ハイブリッドセンシングと工場管理IoTとの連携

 図2は成形工場にお開ける「製造プラットフォーム」構築システム事例である。当社はすでに、コニカミノルタ社へ2019年から商品名「M-Karte」として開発販売した実績もある。国内外の工場をつなぎ、KPI管理が可能になっている。(導入規模:約10億円)



3.金型管理の重要性と省人化に向けたデジタル時代のIoT「金型管理システム」


1)金型IoT:金型電子カルテ©の紹介

 製造業において金型は欠かせない素形材であり、自動車では部品の約80~90%が金型によって作られている。そのため、金型に起因する不良や不具合は、生産現場にとって大きな課題となっている。

 特に、樹脂成形・ダイカスト鋳造・プレス加工などで発生する部品不良の約70%は金型が原因とされており、その重要性があらためて再認識されている。


 「金型管理システム」特色と機能は


①金型メンテナンス不足

生産数(ショット数)に応じたメンテナンスが適切に行われておらず、特に金型部品の劣化や交換時期まで管理されていないケースが多い。その結果、部品不良や金型の突発故障が発生し、生産停止につながってしまう。


 ⇒【対策:金型IoT機能】

 ・ショット数と連動したメンテナンス管理

 ・不具合履歴やメンテナンス情報の記録

 ・金型部品および予備品の管理


これにより、不良発生頻度とショット数を連動させた適切なメンテナンスが可能となり、正確な記録も残せる。また、金型はQR銘板による個体管理を行い、量産終了後も見据えた長期(約20年)の識別・管理が可能となる。   


②金型管理とメンテナンス業務の現場への放り投げ投げ、日報等紙管理、作業者不足

金型管理やメンテナンス業務が現場任せになっており、日報などは紙で管理されているうえ、人手不足も重なり、十分な管理ができていない。


 ⇒【対策:金型IoT機能】

 ・ワークフロー承認機能

 ・デジタル日報

 ・不良情報の記録・共有


金型管理の大きな問題は、業務フローが形だけになっている点にある。

そのため、各作業プロセスに承認フローを設け、確実に管理できるようシステム化することが重要であり、それを実現するのがワークフロー承認機能である。


③ トライ結果が量産に活かされていない

試作(トライ)時の結果や記録が十分に残されていないため、量産時に同じ不良が再発してしまう。


 ⇒【対策:金型IoT機能】

 ・トライ管理機能

 ・サプライヤー情報収集機能


試作・立上げ時のトライ結果を正確に記録し、量産時に活用できる仕組みが必要である。

トライ管理機能や測定IoTとの連携により、データを確実に蓄積できる。


また、部品・金型サプライヤーでのトライに立ち会えない場合でも、タブレットを使って現場で記録・共有できるため、情報の抜け漏れを防ぐことができる。


④ ISO・IATF監査への対応不足

ISOやIATFの監査時に、記録や品質データが不十分で指摘を受け、対応に追われるケースが多い。


 ⇒【対策:金型IoT機能】

 ・チェックシート機能

 ・デジタル帳票機能


ISOやIATFで求められる品質管理に対応するため、業務フローに沿った帳票や記録をタブレットで簡単に入力し、承認履歴までデジタルで残せる仕組みを構築する。


また、各工程のチェックシートでは、

 ・QRによる金型の個体管理(何を)

 ・QRによる作業者管理(誰が)

 ・タブレットによる作業日時の記録(いつ)

を自動的に紐づけて記録でき、確実なトレーサビリティを実現する。



 単なる在庫管理システムの延長では金型起因の不良、不具合は解消できない。金型屋がつくった粥ところに手が届く「金型管理システム」として業界TOPとの評価を得ている。

 導入事例と効果は、電承Factoryの事例紹介:KBK様、伸光技研産業様などを参照されたい。


図3 金型IoTの主な機能紹介と活用シーンと特許「QR銘板」
図3 金型IoTの主な機能紹介と活用シーンと特許「QR銘板」

2)金型管理 貸与先金型管理モジュール:AMS(アセットマネージメントシステム)の紹介

 金型IoTの重要な機能の一つに、「貸与先金型管理モジュール」がある。

 近年、中小企業庁や公正取引委員会は、サプライヤーに無償で金型を保管させる「無償金型保管問題」を、中小企業への不当な負担として問題視しており、適正取引の観点から是正を求めている。


 実際に、公正取引委員会はトヨタ自動車東日本やスズキ子会社スニック、三菱ふそうトラック・バス、荏原製作所、カヤバなど20社以上に勧告を行っており、これは氷山の一角といわれている。

 対象となるのは貸与金型だけでなく、治具・設備・木型、さらにはサプライヤーが自ら調達した金型まで含まれ、委託先に大きな管理負担がかかっている。

 「金型管理システム・貸与先金型管理モジュール」は、これらすべてを一元管理できる仕組みであり、

 すでにコニカミノルタや自動車業界のTier1企業を中心に導入が進んでいる。


図4 委託先とサプライヤー双方で金型・治具などが棚卸、廃棄管理できる貸与先金型管理システム
図4 委託先とサプライヤー双方で金型・治具などが棚卸、廃棄管理できる貸与先金型管理システム

  特色は、委託元がソフトウェアを導入すれば、取引先サプライヤーも同じシステムを共有して利用できる点にある。低価格のサブスク版では、年間100万円で最大30社・1万型まで、グループ全体で金型を一元管理できる。


 また、QR銘板を活用することで、金型の所在確認やメンテナンス履歴、廃棄処理などの証跡管理をタブレットで簡単かつ正確に行うことが可能である。

 その結果、実在庫管理にも対応でき、国際会計基準やISO・IATFの観点からも有効な仕組みとして評価されている。



4.設備管理の重要性と省人化に向けたデジタル時代の「設備監視システム・デジタル保全システム」


 工場管理では金型管理と共に、設備管理とそのメンテナンス管理も重要だ。設備故障による生産停止やその保全費用は膨らむ一方で、設備保全部門の人材不足も深刻だ。設備管理の課題と設備IoTモジュールは


日常点検が手書きで、収集に工数がかかり、分析まで活用されておらず故障が見逃される

 ⇒【設備IoT機能:デジタル機械日報機能、稼働管理機能、データ収集・分析機能・異常警告機能】

 ・日常点検、定期点検などもタブレットと付帯センサ“StethoscopeⅡ”で自動が可能

 ⇒【Σ軍師Ⅱ:データ分析・故障予知・設備異常警告が可能:Σ軍師Ⅱ連携機能

 ・設備保全稼働記録は、専用の無線センサStethoscopeⅡ(振動・温度・電流)や歪・圧力センサ、流量センサなどと連動して“日常点検項目の自動収集と一括管理可能


設備ごとの故障頻度や原因が異なり(設備ごとの持病)、設備ごとの計画的なメンテ日程がつくれない

 ⇒【設備IoT機能:設備計画メンテ機能、メンテ通知機能、予備品管理機能】

 ・故障履歴から設備ごと計画メンテと予備品管理、メンテ自動通知が可能:計画メンテ、予備品管理  


 ③保全要員不足、設備のデジタル化や多様化で新たな省力化デジタル保全システムが欲しい

⇒【設備IoT機能:デジタル保全キット、データ収集・分析機能】

 ・保全員向けの遠隔設備監視が可能な:デジタル保全キット、稼働データの見える化グラフ表示機能


図5 設備IoTの保全Σ軍師Ⅱによる設備稼働監視、測定・在庫情報管理、デジタル保全キット
図5 設備IoTの保全Σ軍師Ⅱによる設備稼働監視、測定・在庫情報管理、デジタル保全キット

 


5.測定IoT・工具などの在庫管理:デジタル工具・治具・金型部品在庫管理システム

 工場管理には、他に測定検査と在庫管理システムが不可欠であり、そのデジタル管理システムを紹介する。


1)測定IoT;測定電子カルテ®デジタル検査システム

 近年、検査不正で会社の信頼を大きく損ね、場合によっては倒産にまで至る事案が頻発しており、抜本的な対策が望まれている。不正や誤記対策、自動測定用など人手を介さないデジタル測定管理として注目されている。測定IoTの主な機能として


 ①ノギスなどのソフト検査機や3次元測定器などメーカを選ばないでデジタル測定表が自動作成可能

  機上測定装置や各種検査装置にも対応:デジタル測定機器対応機能

 ②オリジナルの顧客要望の測定表も個別設定で自動作成が可能:検査表自動作成機能

 ③検査不正対応としてデータ改ざん記録がシステムに記録される検査不正機能搭載

 ④検査器具の校正なしの検査は記録されない、検査機の校正履歴も可能:検査器校正機能

 ⑤検査はデジタル機器だけでなく、感性検査も画像記録などで検査表に記載できる

 ⑥CPKや管理値など品質管理機能が充実、不良監視にも有効、統計処理機能

バージョンによっては、サプライヤー連携の受入検査レスを目指したコニカミノルタ様等の事例もある。


図6 測定IoT:測定電子カルテによる品質保証
図6 測定IoT:測定電子カルテによる品質保証

2)在庫IoT:在庫電子カルテ®「デジタル工具管理システム」

 工場管理には在庫管理が必須業務であるが、製品の部品管理は徹底されているものの、製造備品の工具や治具等のデジタル管理は作業者任せであり、デジタル化が遅れている。在庫IoT:在庫電カルテの特色は、

 ①在庫対象にQRコード、金属部品にはQR銘板をつけて管理する所在管理機能が有効

 ②工具管理は、工具にQRを刻印し、新品・使用品、再研磨品などの工具ステータス管理機能が有効

 ③治工具の保管棚からの入出庫、使用機械の特定、工具ごとの加工時間管理機能も有効

 ④工具管理DBにて、在庫数や重複無駄な手配防止に向けた在庫管理機能が有効

 ⑤製造現場はタブレットにて入荷~在庫~再研磨~廃棄までの管理(トレサビ管理機能が有効)

手軽なDXソリューションベースプランとしてサブスクで3.5万円/月~となっている。


図7 QRによるデジタル工具管理システム
図7 QRによるデジタル工具管理システム

6.まとめ


 日本の素形材産業は、自動車・電機・精密部品・建機など、あらゆる製造業を支える基盤であり、世界トップレベルの技術力を誇る極めて重要な基幹産業である。

 この産業の競争力と持続性を高めるためには、現場の見える化と情報の一元管理が不可欠である。


 本節で紹介した工場管理システムは、単なる業務効率化にとどまらず、企業間の情報共有を促進し、サプライチェーン全体の可視化と最適化を実現するものである。

 その結果、変化に強く、途切れない供給体制を支える「強靭なサプライチェーン」の構築に大きく貢献する。




 
 
 

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